遊印の勧め

中国人師匠から学ぶ

中国では書・画・篆刻の三つの芸術をくみあわせ研鑽、追及することによって三絶の域に到達すると言われています。三絶を簡単に説明すると書画篆刻すべてに精通する人となるかと思います。
一人の人間が画を描き、讃を書き、自分で刻した印を捺す。それによって芸術の完成とする。日本人書家も引首印(冠冒印)、姓名印、雅号印を捺しますが、多くの方はそれにとどまっておられます。これらの多くは師匠、先輩方からこうするものだと教わり決まりだから、なんとなく捺している方がほとんどだと思います。
決まりだからやっている。これでは残念に思います。ひとつの印ですが効果的に加えることで作品の「格」が上がり見違えるようになることもあります。
このことは中国人師匠から学んだ、日本との大きな違いの一つでしょう。
これからは遊印を一つ加えてみて下さい。効果的でセンスの良い印は必ず作品の名脇役になり相乗効果を生んでくれるでしょう。
仕事柄、書道展などに行くとあまり作品は見ずに印ばかり見てしまいます。(篆刻家あるあるでしょうか?)良い印を見つけると必ずと言っていいほど素晴らしい作品です。
なぜ? 素晴らしい作品になるのでしょうか?きっとすべてにおいて気を使われているからだと思います。印も疎かにしない作品は当然素晴らしいのは当たり前ですね。普段からの研鑽の成果でしょう。これからは遊印をご検討下さい。

余談ですが近代の三絶と称される方々は呉讓之、趙之謙、呉昌碩、斉白石等です。近代では中国でも三絶と称される人は少なくなっているとか・・・
私の師、周之江師匠は必ず後世に名前を残される方だと信じております。

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篆書・篆刻創作 間気庵 伊藤浥碩

2020/8/15