印材について

印材磨きの優れもの

一般的な印材として私がよく使う材料は青田石、寿山石、巴林石です。これらは輸入の際に、切りっぱなしや細かな傷等をごまかすように蝋のようなものが塗られたものも良くあります。一見美しく見える表面ですが蝋を取ると細かな傷や、裁断したのこぎりの痕のようなものが見えてきます。
これらの石を磨くために耐水ペーパーを数種類使用して、最後は金属磨き用の研磨剤で仕上げています。印面になる部分は勿論ですが側面も上になるところもすべて私は磨きます。六面すべて磨くにはまあまあの時間がかかるのでひどい篆刻家になると印面しか磨かない人もいるとか・・・蝋がついたままでも少しぐらいの傷等が目立たず良いのかもしれません。
ですが、私は不自然な光沢がどうも気になります。六面すべて磨いてしまいます。そのため見なくてよい傷など発見して没にする印材も出てきます。側面は平らに、上の指がかかる部分は丸くカーブを描くように成型します。
#100 #240 #400 #600と耐水ペーパーを変えて磨き、最後は今日お勧めしたいKIKU-MOLのペースト状の研磨剤で磨き仕上げます。
仕上げはいつもこれです。有名な金属研磨剤も使ってみましたがこれが私にはあっています。光りすぎず自然な光沢に仕上がります。
写真1は真四角で切りっぱなしの状態、2は荒いペーパーをかけて上の指がかかるところを丸くしています。3はペーパー仕上げを終えたところ、4が最後に仕上げた状態になります。もっと磨く人はここからネイル用のやすり掛けをすると聞いています。私は自然な感じが好きなので4までです。
隠れたところで優れた道具が役に立ってもらっています。

2020/8/25